住まいに求める”こだわり”には、
人それぞれいろんな思いがあると思います。
突然ですが、私が理想として描いていた”住まい”は、
アニメの「サザエさん」一家が住んでいる家です。
平屋、間取り、和室…はともかく、
その生活スタイルがとてもすてきだな、と思っています。
個人の時間をつくる部屋数…でもなく、
いつも何気なく誰かがいる茶の間、
自然に皆が集まる家族団らんの光景を、
いつも微笑ましく思っています。
もうひとつ、心に描いていたのが、”縁側”です。
壁や建具を隔ててプライベートを作りつつも、
どこかでつながってる”空気”を演出してくれます。
また、外側の建具を閉めれば室内になり、
内側の建具を閉めれば屋外になるという、
その微妙な空間が、なんとも絶妙に心をくすぐってくれます。
冬は、座布団を敷いて長い陽光に背を温め、
夏は、ゴザの上でひさしが作る陰に入りビール、いやいや麦茶をのむ。
ご縁があって今はこの縁側のある生活をしています。
築25年ともなると、冬はさすがに寒く、
家族みんなで卓を囲み毛布にくるまっていますが、これもまた一興。
夏の夕べ、蚊取り線香をたきながら庭先で楽しむ花火は、
当家の年中行事となりました。
あれもこれも、なかなか現実的には大変ですが、
自分にとって何が一番心地よいのか…。
私にとってこの縁側に腰掛けている時間、
自分流のスタイルこそが、
真の幸せだと実感しています。
奈良のとある有名な寺院で撮影した景色です。
まさに日本人の心、”わびさび”の境地だと思います。