イバケンにっき


私は昭和二十九年生まれです。
昭和三十年の半ば頃までは、「家」は地元の大工の手によって建てられるのが一般的でした。

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もちろんそれは、情報が少なかった時代のことであり、他に選択肢がなかった状況だったからに他なりません。
しかしその後、高度経済成長と集団就職による都心の人口急増を受け、住む場所をとりあえず確保するために国が推進した大量生産型のプレハブ住宅や木造住宅が主流となり、その「文化住宅」という名の安普請の建売住宅・文化住宅には、隙間風の問題や粗悪な素材・工法による耐久性の低さなど、大きな弊害がありました。
そのため、日本の家そのものが否定され、外国のスタイルをまるごと真似るようになってしまいました。

日本の住文化は長い年月をかけて培われてきた合理的なものです。
季節の変化に柔軟に対応でき、世界でも類を見ないほどのエコロジー精神をベースとした日本の住文化が「悪いもの」とされ、日本以外の、外国のスタイルが100パーセント「良いもの」とされてしまった背景には、変えてはいけないものを変えてしまった日本人の過剰反応が大きく影響していると私は考えます。

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本書は、地場の工務店として地域の皆様に住宅を提供している「私」がどのような人間なのかをご理解頂いた上でお客様の家を建てたい、という思いで作成されました。
もう一度、古くから日本に培われて来た立地条件、気候風土、生活様式を含めて考えられた家づくりをよみがえらせたい、というのが私の願いです。
どうぞご一読いただき、「家づくり」への理解を深め、失敗と後悔のない家づくりをしていただく一助となれば幸いです。

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